2012年3月22日木曜日

ナチュラルミネラルウォーターの歴史


厚生省の定めるミネラルウォーターの分類中、一番ランクが上とイメージさせるナチュラルミネラルウォーターの処理方法を、「ろ過、沈殿及び加熱殺菌に限る」としているのは、日本のミネラルウォーターの大半が加熱処理だということと無縁ではありません。フランスでは体にとって有用であることが立証できないと「ミネラルウォーター」という称号を使えませんでした。それが、ヨーロッパの水がEC指令で統一される過程で「薬効効果」が「健康に好適」という言葉に変わりこそしましたが、殺菌をしないことを含め人が手を加えないことは変わらぬ前提として生き続けています。このミネラルウォーターに関する見解の相違は、国際的なミネラルウォーターの規格を定めるCODEXでも激しい論戦が繰り広げられました。結果的には、1997年6月にヨーロッパの規格が世界規格として採択されましたが、日本側の主張は、EU側の狭義なミネラルウォーターを受け入れてしまうと、日本市場に深く浸透している名称の変更せざるを得なくなり、それは市場の混乱を招くというものでした。容器詰め飲料水のほとんど全てをミネラルウォーターと呼ぶ日本で、EU案を受け入れがたいと言う事情は分からないではありませんが、それがミネラルウォーターの概念を不明瞭にしてしまっている事は否めません。(*1)

第一次のミネラルウォーターの隆盛は、1967年頃からのウイスキーの水割り用の流行が引き金でした。そして、第二次のブームは1983年にハウス食品が「カレーを美味しく食べるには美味しい水を」と「六甲のおいしい水」を発売したことに端を発したと言われます。1989~1990年にかけて老舗のサントリーやキリンビバレッジも家庭用の分野に進出し、現在に至っています。1985年には水源水が、そして私たちが1988年にはガロンボトルで市場に参入してますが、全体的に見てもとても若い業界であることがお分かりいただけるでしょう。日本に於けるミネラルウォーターの市場がまだまだ伸びると考えられているのは、実はこの業界の歴史の浅さに由来しているのです。ガロンボトルビジネスはその中でも未成熟な分野ですが、大企業がバックインボックスの金縛りにあっているのを後目に、中企業がRO処理水で全国展開を仕掛け始めました。それによってガロンボトル市場が活気を帯びはじめた事は間違いありませんが、それがそのまま消費者に受け入れられていくものとは思えません。何故なら、あのサントリーでさえ、加熱処理でなくハウス食品や弊社同様フィルターによる除菌を水処理に取り入れ、天然水の持ち味を損なわないおいしい水の製造に乗り出しました。それは消費者のニーズが「天然・自然及び健康志向」に向かっているからに他なりません。

全ての商品は多くの試行錯誤を経て、私たちの生活に定着していきます。特に外来のものは、生活習慣の違いを乗り越えなければ定着のしようがありませんから、定着には時間がかかります。そして、それを紹介し広めようとする人たちの思惑にも大きく左右されるため、定着への軌跡は直線を描けません。但し、時間をかけさえすれば、市場がその道筋をつけていくことには変わりがありません。日本に於けるミネラルウォーターのルーツは、温泉水や鉱泉水、茶の湯の水、酒造りの水ですが、当然の事ながらそれらは全て天然水です。ですから、ミネラルウォーターが定着するにつれ、消費者が日本の天然水を持ち味をそのままに飲みたいと求めるのは当然の成り行きといえます。サントリーが製造方法を改めた要因はそこにありました。ガロンボトルのミネラルウォーターもそれがミネラルウォーターである限りにおいて、天然水を標榜していくことは間違いないことでしょう。

(*1)1990年3月日本の農林水産省が策定したミネラルウォーター類の品質表示ガイドラインによると、ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)は、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターの4つに分類されます。
その内のボトルドウォーターは、1.ろ過、沈殿及び加熱殺菌以外に原水の本来成分を大きく変化させる処理を行ったもの 2.その他、原水が地下水以外の場合 *純水 *蒸留水 *水道水など とされ逆浸透膜ろ過を行った場合の品名はボトルドウォーターであり、ミネラルウォーターという表示ができないことが定められています。

出展:ガロンボトルビジネス最前線


以上、ガロンボトルビジネス最前線の引用です。


何も足さない何も引かない(余計なものを)、それがナチュラルミネラルウォーターです。


近年では、デザインウォーターと称して水道水を源水としてRO処理した水にミネラル等の成分を添加して販売されています。
一般家庭に広まっているウォーターサーバー用の水の大半はこのRO水です。

違いの判る皆様には、是非とも本物の天然水をご賞味いただきたく思います。

円グラフ

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